ところが、ペリカンみたいな鳥が、突っついて気球上部に穴を開けてしまって気球内の空気が吹き出し始めたので、食パンで穴をふさいだ。
ショーンは上(外側)からジャム付き食パンで穴をふさいだのだが、問題は、気球から外に空気が吹き出ているのに、食パンが飛んでいかないかということだ。
計算してみた。
気球は
パイロットハンドブック 第 1 章 熱気球の飛行原理 - 日本気球連盟[2] の1-5ページでの仮定
- 体積 2000m3
- 機体重量(人、燃料を含む) 450 kg重
食パンは、 五訂方式 カラーチャート食品成分表[3] より、1枚60gと考える。大きさは14cm四方とする。
さらに、計算を簡単にするため、気球を高さ20m、上下面10m四方の直方体とする。
この気球が浮いている時には、重力と浮力が釣り合っている。
気球下部にはバーナーがあり、気球内外の空気の圧力は等しい。
したがって、(巨視的な力である)浮力は(微視的には)気球上面での
気球内外の圧力差によっている。
気球上面での気球内外の圧力差は
(浮力)/(上面の面積)= 450 kg重/ (10 m × 10 m) = 4.5 kg重/m2
したがって、食パンに気球からかかる力は
(気球内外の圧力差)=4.5 kg重/m2 × (14 cm)2 = 90 g重
となって、食パンの重力60g 重より大きい。
したがって、食パンを気球の上に置く形では、食パンは飛んで行ってしまうため、気球の穴を防ぐことはできない。
(逆に内側からなら、気圧差で貼り付けられる。)
以上
参考文献
[1] http://www.aardman-jp.com/shaun/
ひつじのショーン|公式サイト
[2] http://www.jballoon.jp/safety/handbook/indivisual/3-1-1-hikougenri.pdf
パイロットハンドブック 第 1 章 熱気球の飛行原理 - 日本気球連盟
[3] 石井克枝 著『五訂方式 カラーチャート食品成分表』(教育図書、2000年)