2013年5月12日日曜日

熱気球と食パン(熱気球にかかる力)

この前の ひつじのショーン[1]では、ショーンたちは、おっちゃんの彼女がデートに用意した熱気球を乗っ取って遊んでいた (「ショーンのそらのたび」)。
ところが、ペリカンみたいな鳥が、突っついて気球上部に穴を開けてしまって気球内の空気が吹き出し始めたので、食パンで穴をふさいだ。

ショーンは上(外側)からジャム付き食パンで穴をふさいだのだが、問題は、気球から外に空気が吹き出ているのに、食パンが飛んでいかないかということだ。


計算してみた。


気球は
パイロットハンドブック 第 1 章 熱気球の飛行原理 - 日本気球連盟[2] の1-5ページでの仮定
  • 体積 2000m3
  • 機体重量(人、燃料を含む) 450 kg重
を典型的な値だと考える。
 
食パンは、 五訂方式 カラーチャート食品成分表[3] より、1枚60gと考える。大きさは14cm四方とする。

さらに、計算を簡単にするため、気球を高さ20m、上下面10m四方の直方体とする。

この気球が浮いている時には、重力と浮力が釣り合っている。
気球下部にはバーナーがあり、気球内外の空気の圧力は等しい。
したがって、(巨視的な力である)浮力は(微視的には)気球上面での
気球内外の圧力差によっている。

気球上面での気球内外の圧力差は
 (浮力)/(上面の面積)= 450 kg重/ (10 m × 10 m) = 4.5 kg重/m2
したがって、食パンに気球からかかる力は
 (気球内外の圧力差)=4.5 kg重/m2 × (14 cm)2 = 90 g重
となって、食パンの重力60g 重より大きい。

したがって、食パンを気球の上に置く形では、食パンは飛んで行ってしまうため、気球の穴を防ぐことはできない。
(逆に内側からなら、気圧差で貼り付けられる。)

以上


参考文献
[1] http://www.aardman-jp.com/shaun/
ひつじのショーン|公式サイト

[2] http://www.jballoon.jp/safety/handbook/indivisual/3-1-1-hikougenri.pdf‎
パイロットハンドブック 第 1 章 熱気球の飛行原理 - 日本気球連盟

[3] 石井克枝 著『五訂方式 カラーチャート食品成分表』(教育図書、2000年)

2013年5月6日月曜日

cygwin on wine

cygwinのテストをしたくて、FreeBSD(FreeBSD 9.1-STABLE #1 r247264)マシン上のwine(wine-1.3.23)にcygwinを入れてみました。

最新版で挑戦

http://www.cygwin.com/からsetup.exeをダウンロードして、
$ wine ~/download-dir/setup.exe
とすると、setup.exeが立ち上がるので、普通にインストールできる(ちょっと感動した)。
現在のバージョンは 1.7.18-1。インストール先の指定などはC:\cygwin\とwindowsと同様。
最後にDesktop Iconを作ったら、gnomeのデスクトップに赤ワインのアイコンができた。

が、ダブルクリックしても、途中で落ちてしまう。gnome terminalから
$ WINEPREFIX="$HOME/.wine" wine C:\\windows\\command\\start.exe /Unix $HOME/.wine/dosdevices/c:/users/Public/Desktop/Cygwin.lnk
としても同じ。winedbgでもダメ。


手持ちのCDで再挑戦

家の本棚を発掘して、海上忍『今すぐ使えるCygwin』(技術評論社、2004年) のCD-ROMで再挑戦した。バージョンは1.5.9-1。こちらは、コマンドラインからwinedbgで
$ WINEPREFIX="$HOME/.wine" winedbg C:\\windows\\command\\start.exe /Unix $HOME/.wine/dosdevices/c:/users/Public/Desktop/Cygwin.lnk
で例外を無視しながら(cをタイプ)進むと起動する。
しかし、gccは動かない。cygwinのheapのためのspaceを確保できないそうな。

ここで一時休戦とする。