2013年3月24日日曜日

フランスの計量カップ

アメリカの料理の本では、計量カップは日本とは違っていて、1cup=8ounce=236.8mlでレシピが記載されています。
したがって、アメリカの計量カップを持っていない場合は、材料の量を計算しておく必要があります。
(1Tbs.(table spoon)=14.8ml=ほぼ大さじ1、1Tsp.(tea spoon)=4.9ml=ほぼ小さじ1なので、計量スプーンは計算不要です。)

アメリカの単位といえば、質量のpound(lb)、液体のounce(oz)ですが、手元の料理の本では、ほどんど出て来ません。例えば、
1/2 cup all-purpose flour
Dash of salt
2 large eggs
1/2 cup milk
4 Tbs. butter
(THE BEST OF FINE COOKING, The Taunton Press, Inc.より)
などと表記されています。peeled hazelnutsもcup単位、butterもTbs.単位。
基本的に計量カップ、計量スプーンで量れるように書いてあります。

そういえば、フランスで買った料理の本はどうだったかなと確認したところ、
240g de farine
2 pincées de sel
2 Cuillère à soupe de vergeoise
4 oeufs
40 g de beurre
40 cl de lait
(José Maréchal, Petits plats et desserts aux spéculoosより)
と表記されています。液体はcupではなく、cl(センチ リットル、1cl=0.01l)単位!さすがはメートル法の国。どのカップで量るかではなく、結局どれだけ入れるかなのでとても合理的だと思います。
ですが、少量の三温糖は大さじ単位です。少量を秤で量るのは困難ですし、計量スプーンは国による差が小さいからでしょうか。

一方、日本は、
卵 2個
砂糖 40g
牛乳 100ml
薄力粉 200g
ベーキングパウダー 小さじ1
(かんたんおやつ―初めてでも、だいじょうぶ, ベターホーム協会より)
と表記されています。フランスと大体同じですね。

また、アメリカは体積で、フランスでは質量で表記する傾向があります。小麦粉とバターの量は、アメリカでは計量カップ(スプーン)単位で、フランスではグラム単位で表記されています。

小麦粉などは、空気の含み具合で密度が変わるので、グラム単位の方が再現性がよいと思います。
一方、料理は化学実験ではないので、アメリカ流に体積でざっくり量るというポリシーもありえます。
(私は、質量に換算して、秤の上で測定しながら材料を加えていく派です。)

料理の本から、各国の国民性が見えてきて、おもしろいですね。

2013-05-05 追記 

おまけで、フランスの計量スプーン情報を追記します。
Cuillère à soupe はスープのスプーンの意味で15mlで日本の大さじと同じ、
Cuillère à café はコーヒーのスプーンの意味で5ml(Cuillère à soupeの1/3)で日本の小さじと同じです。
出典は両方ともWikipediaです。 (Cuillère à soupeCuillère à café

硬水の国だから、紅茶ではなくコーヒーなのかも。 フランスのコーヒーおいしいです。
上記フランスの本でも、この計量スプーンが出てきてました。

2013-07-06 追記 

 最近ドイツのお料理の本も手に入れました。
Greatest Ever: Deutsche Küche 2011 by Sabine Schniffner (Author)
ISBN: 9781445453569


前書きに、計量スプーンの換算が書いてありました。
Ein Esslöffel(EL、食べるスプーン)は15mlで日本の大さじと同じ、
Ein Teelöffel(TL、お茶のスプーン)は5mlで日本の小さじと同じです。
ドイツのお菓子は紅茶よりコーヒーのが合う気がするけれど、お茶のスプーンなのですね。

この本からもレシピを一つ紹介しておきます。
250g Mehl
1/2 TL Salz
4 Eier
300ml Milch
100ml Sprudelwasser
Butter, zum Ausbacken

みんなパンケーキ大好き。

2013年3月14日木曜日

tarte aux kumquats(金柑のタルト)

金柑のタルトを作ってみました。


作り方は以下のとおり。

材料(直径18cmのタルト型)
ダルトの皮
小麦粉 50g
バター 33g
砂糖  17g
卵   1/6個

カスタードクリーム
小麦粉 17g
砂糖  33g
卵黄  4/3個
牛乳  167cc
グランマルニエ 30cc

金柑の甘煮
金柑 種付きで200g (9個)
水  100cc
砂糖  50g

作り方
1. 金柑の甘煮を作る
1.1 砂糖と水をホーロー鍋に入れて弱火にかける。砂糖が溶けてぬるくなったら火を止める。
1.2 金柑を横に切る。種をとる。ほとんど種だけど大丈夫。
1.3 断面を上にして、1.2の金柑を並べて、ごく弱火で15分くらい煮る。ぐだぐだにしない。皮と身がはがれ始めたら火を止める。
1.4 冷ます。冷めたら冷蔵庫に入れる。寝る。

2. タルトの皮を作る(片手ボウル、白いゴムベラ)
2.1 バターを泡立て器でクリーム状に練る。固いときはホットカーペットの上に置く。
2.2 砂糖を加えて練る。
2.3 卵を加えて練る。
2.4 小麦粉を加えて、混ぜてひとまとまりにする。ラップで包んで1時間くらい冷蔵庫で休ませる。

3. カスタードクリームを作る(緑の鍋、木べら)
3.1 小麦粉、卵黄、砂糖を混ぜる。牛乳を少しずつ入れて混ぜる。
3.2 混ぜながら超弱火にかける。ダマにならないように混ぜながら火を通す。この配合はかなり固くなるので、しっかり火を通し練り上げる。
3.3 室温で冷ましたら、グランマルニエを加えて混ぜる。タルトの中身らしい固さになる。冷蔵庫で休ませる。

4. タルトの皮を焼く(木のまな板)
4.1 打ち粉をした木のまな板と麺棒で、2の生地をタルト型より大きく伸ばす。タルト型に敷く。底の外れるテフロン加工のタルト型なので型はそのまま使ったが問題なかった。薄いけど大丈夫。空気穴をあけるける。冷蔵庫で休ませる。
4.2 オーブンを170度に余熱。20分くらいかかる。
4.3 タルトを天板にのせて下段に入れて焼く。焼けたらオーブンから出して冷ます。
冷めたら型から取り出す。

5. 中身を詰める
5.1 4のタルトに3のクリームを詰める。1の金柑の甘煮を埋めるように乗せる。

参考資料
このレシピは、今田美奈子さん『お菓子の手作り辞典』(講談社、1978年)のオレンジのタルト(43ページ)を参考にしています。タルトの皮とカスタードクリームは今田美奈子さんのレシピそのものです(ただし、カスタードクリームがかなり固かったのでグランマルニエを加えました)。


タルト型は直径21cmが一般的ですが、18cmだとかわいいタルトになります。

金柑は上に断面が来るように並べるとかわいいけれど、切るときに回転します。

タルト生地もクリームもしかっり甘めの正統派のお菓子の味です。おいしいコーヒーによく合います。金柑とグランマルニエも仲良くしています。